新生活

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  *** 夜、寝ていると外で何か音がしたような気がした。 ゆっくり起き上がって窓の方を見たけれど、何も見えない。 ベッドから出て窓の方に歩いて行き、外を見た。 やっぱり暗くてよく見えない。 すると、突然目の前に人影が表れ、一瞬で消えた。 「ひっ……」 あまりに驚いて声が漏れてしまったけれど、あれはユリシーズだった。 一瞬だけしか見えなかったけれど、夜の闇に銀色の目が二つ、浮かび上がるように見えたから。 窓に張り付いてもう一度外を見ても、既に姿は無く、窓ガラスがひんやりと冷たい。 「なんだったの……?」 呟くように言って、眠っているエイミーを見る。 ダメだ、彼女を起こして私が見たものをただ伝えても、心配させるだけ。 「明日、直接ユリシーズに聞こう」 呟いて、ベッドに潜り込む。 その時の私は、自分の部屋が2階だということを忘れていた。
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