手がかりを探して

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手がかりを探して

途中まで馬車で進むと、脇道から森の奥に入っていくことになった。 そもそもそのつもりで乗馬服を着ていたから、エイミーとウィルを置いて脇道に入っていく。 こんな伯爵夫人はいないかもしれないけれど、ユリシーズなら笑って許してくれるはずだ。 途中まで歩いたところで、同行していた使用人がポケットから黒い布切れを出した。 私も持っているユリシーズの服の破片は全部で8枚ほどあったので、捜索に出ている人狼たちにそれぞれ持たせて、ユリシーズを辿るために使ってもらっている。 使用人とバートレットが布切れの匂いを嗅ぎ、うなずきながら同じ方向を指す。どうやら、ユリシーズの匂いがするらしい。 ドキドキしながら奥に進んでいくと、大きな木の前で男性の使用人とバートレットが立ち止った。 「ここで、匂いが消えているんです……」 「確かに」 使用人とバートレットは周囲を嗅ぎながら、大きな木の根元をじっと見ていた。 「掘ってみますか?」 「……え?」 「何が出て来るか分かりませんので、奥様は馬車でお待ちいただいた方がよいかもしれませんが」 この木の下に何かがあるということ? と戸惑って、「大丈夫、ここで見ているわ」と二人に告げる。 バートレットは小型のスコップを自分の荷物の中から二つ取り出して、使用人と共にその場所を掘り始めた。
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