新しい舞台へ

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 馨はまた叩こうとする武子をあやすように抱きしめていた。駄々をこねる子供があやされるように、武子も馨の腕の中で大人しくなっていった。しばらくして、おもむろに馨が言った。 「武さんも、今日は疲れたじゃろ。先に休みなさい」 「あの、馨さんは」 「もうすこし、考えたいことがあるからの。後でてええ」  さっきのブランデーの事もあって、武子は床に入るとすぐに寝ていた。後から床についた馨が、その寝顔を見て笑っていたことを、武子は知らない。
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