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第6話:融合魔法
リオンを守りたい。そんなディアの気持ちに守護魔法は答えてくれた。
しかし──
(付け焼き刃の技術じゃ、そりゃ無理な話よね……!)
みぎ! ひだり! 様々な角度から牙を剥くウッドサーペント。
突然魔法をフルスロットルで使っている副作用なのか、全身の筋肉が軋み、痺れが走る。先程よりも若干盾の光が薄くなってきたような気もする。
ディアは思わず後ずさった。だが──
「う、うぅ……」
「くっ……」
──今、ディアの後ろにはトラウマを思い出し、動けないリオンがいる。もうこれ以上は後ろには下がれない!
その時だ──ウッドサーペントの猛攻によりディアの魔法の盾にヒビが入る!
「っ、嘘、そんな! ……このままじゃ……!」
脳内で己の上半身がウッドサーペントに丸のみにされる未来がはっきりと浮かんだ。
ディアは絶望で涙が溢れる。護りたいのに、守る力があるのに!
「嫌だっ! 護りたい! 護りたいの! 推しを失いたくない! ──絶対に、護ってみせる!!」
子供のように駄々をこねることしかできない。
しかしそうしている間にも、盾にはさらにヒビが入り──
(もう、駄目──)
「──ディア!」
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