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「ああ、待っていろ」 喉が渇いた、と伝えると察してくれたらしく、すぐに水の入った容器を持って戻ってきた。 痛む身体をなんとか起こして、受け取った水を一気に飲み干す。 思っていたよりも喉が乾いていたのか一度では足らず、二度三度と要求するとその都度応じてくれた。 ようやくひと心地ついたところで、自分は全裸ではなく、古い衣服を着せられていることに気がつく。もちろんエルトのものではない。古い血がこびりついているような気がするし、アンモニア臭に似た臭いも漂っているがそこには気付かない振りをしておく。今は保温の方がよっぽど大事だ。出所については気にしないことにする。 改めて自分の状況を確認する。 まず、身体を縛めていた縄は解かれていた。自分の周りには擦り切れた布が乱雑に敷き詰められておりこれでもかというほど体に被されている。そして、目の前にはあの赤い瞳をしたオーガ。 あの男がオーガであることはもう疑う余地もない。 「何故、看病を……?」
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