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「ああ、地上の連中がここで非人道的な魔術の研究を行った。……ここの連中は皆厄介者の集まりだった。何を行おうと文句を言うものはない。」
「……」
オーガは苦々しく呟く。
「奴らは禁術に手を出した。人為的に魔物を生み出す術を行使した。その代償として多くの命が失われ……生き残った者も呪いを受けた。」
「呪い……」
「魔物化した人間は理性を失い、本能のままに暴れ狂う。……俺も、その一人だ。」
オーガは自嘲気味に笑う。
「…………呪いは俺の全てを奪い去った。俺は醜い化け物の姿に変えられ、同時に全ての記憶を失った。自分が何者か、何故ここにいるのか、全てが分からなくなった。理性のない魔物として眼の前の全てを殺し尽くした。」
オーガの瞳に深い闇が宿る。エルトは何も言えず、ただ黙って話を聞くしかなかった。
オーガの話は続く。オーガはかつての記憶を持たないまま、目に入るものをひたすら殺し続けた。血肉を浴びてもなお止まらない殺戮衝動に抗うことなどできなかった。そして長い月日をダンジョンを彷徨っていたらしい。
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