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テイラー邸
リーフもバニラも捜査協力を惜しまなかった。誘拐事件ともなれば時間が勝負だ。ウォーカーは二人に感謝しつつ、捜査を迅速に行うため管轄部署に連絡し本件を預かった。そしてバニラを連れだってテイラー邸を訪れた。
「おや、刑事さん。どうなさいました」
呼び鈴に応え姿を表したのは、主であるゴードン本人だった。
「おはようございますゴードンさん。実は捜査の協力をお願いしたく、お邪魔したのですがー」
ウォーカーが人目を気にするような素振りを見せると、ゴードンは二人を邸宅に招き入れた。
「あ、あのー。メイドの方、などは?」
「うちには使用人が一人。今は用事に出していますが」
それが何かと訝しがるようなゴードンの口振りに、ウォーカーは歩きながら慌てて本題をきりだした。
「イザベラさんは御在宅でしょうか?」
「娘なら大学の寮に住んでいますよ」
「実は、誘拐された可能性があります」
「なんだって!? 犯人に目星はついているのか!」
三人がリビングに着くと、ゴードンの声を聞きつけたのかキッチンから妻のオリビアがやってきた。
「あなた? なにかあったの?」
ウォーカー達を見たオリビアは不安そうな表情を浮かべた。
「イザベラが……」
「奥さん。娘さんが誘拐された可能性がございまして」
「ええ! そんな……」
震える手で携帯電話を取り出したオリビアは、イザベラにだろう電話をかけ始めた。
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