3人が本棚に入れています
本棚に追加
「未来。私との最後の晩餐。最後に食べたいものは決めておいてね」
彼女は一口目のステーキを口に運ぶ。
「それって、俺達、結婚しようていう・・・、逆プロポーズ?」
由美はナイフとフォークを皿の脇に少し荒々しく置くと、「いつまで待たせるのかわからないから!逆プロポーズってとってもいいし、別れる時の話ととってもいいし。それよりも!今は楽しい話をしながら食事がしたいの」と彼女は不貞腐れながら言うと、再びナイフとフォークを手にして食べ始めた。
俺も静かにフォークを手にしてボロネーゼに手を付ける。
「結婚しよう・・・」
小声で俺は囁いた。
「何か言った?」
由美が聞き返して来た。
「一口、ステーキちょうだい」
「あっ!人のお肉・・・」
二人の新しい未来への食事が始まった。
最初のコメントを投稿しよう!