最後の晩餐

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「未来。私との最後の晩餐。最後に食べたいものは決めておいてね」  彼女は一口目のステーキを口に運ぶ。 「それって、俺達、結婚しようていう・・・、逆プロポーズ?」  由美はナイフとフォークを皿の脇に少し荒々しく置くと、「いつまで待たせるのかわからないから!逆プロポーズってとってもいいし、別れる時の話ととってもいいし。それよりも!今は楽しい話をしながら食事がしたいの」と彼女は不貞腐れながら言うと、再びナイフとフォークを手にして食べ始めた。  俺も静かにフォークを手にしてボロネーゼに手を付ける。 「結婚しよう・・・」  小声で俺は囁いた。 「何か言った?」  由美が聞き返して来た。 「一口、ステーキちょうだい」 「あっ!人のお肉・・・」  二人の新しい未来への食事が始まった。
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