最後の晩餐

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「あぁ・・・。私が人生最後に何が食べたいかって聞いたから、話題作りに聞いて来た?」  由美の勘の鋭さはこういう時に発揮される。 「別に、さっきの事は忘れていいよ」  こういう所は、女性はフォルダーじゃなく、上書きだとつくづく感じてしまう。  俺達はイタリアンレストランに入った。  窓際の席に案内されると、「ご注文がお決まりになりましたら、ベルでお呼びください」と細身の店員さんがいい、彼女は奥へ去って行った。 「何食べようかな・・・」  彼女が真っ先にメニュー表を手にし、開いて選び始めている。  俺はゆっくりとメニューを開いて、食べたいものを選び始めた。  メニュー表から視線を外し、目の前に座る由美に視線を向け、「何にするの・・・・?」と尋ねた。  彼女は何か言っているようだったが、俺は彼女の背後に描かれている絵に興味が向き、彼女が何を言っていたのか聞いていなかった。
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