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「お父さんなんて、大っ嫌い!」
私がそう言うと、父は言葉を失った。
家庭裁判所の狭い一室
真ん中に木目の長テーブルを挟んで
私、兄、母、弁護士と
父、弁護士と向かい合い
「紗里ちゃんの気持ちは?」
弁護士に聞かれ
私が言い放ったのだ。
私は父が嫌いではなかった。
むしろその逆で
忙しい中
いろいろなところに
ドライブに連れて行ってくれる父が好きだった。
私は調子に乗っていたのだ。
その言葉が
どんな状況に変えるか
何も知らずに。
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