最後のとりで

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私は 父と母が言い争って 父が時々母に手を挙げるのを 物陰から見ていた。 言い放った時の私は さながら「母を守る正義の味方」 になりきっていたのだ。 その時の私の中では 母に手を挙げる父と ドライブに連れて行ってくれる父は 別々の父に思えていた。 家庭裁判所から帰ってすぐ 父は 何年にも渡って裁判で争ってきた親権を手放した。 そして正式に親権が母に渡り 父と母の離婚が成立したのは 私が小学4年の時だった。
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