最後のとりで

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正直、私は 芳弘と母が結婚するとは思っていなかった。 芳弘は 母が付き合った数ある男の中で たいしていい男ではなかったからだ。 母は離婚してから 水を得た魚のようにイキイキと仕事を楽しみ 交友関係も広がり 恋愛もしまくった。 出会いもあれば その数ほどの別れもある。 「今度の男は 何ヶ月持つかな?」 「さあね 結構いい男だから そうだな、1年持つか?」 その当時 母がいないところで そんな話を兄と当たり前のようにしていた。
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