6人が本棚に入れています
本棚に追加
/27ページ
画面に情報系バラエティ番組が映る。
ちょうど、連続少女殺人事件の話題が上がっていた。
「子供、それも女の子を狙った事件が増えてますね」
「いやー、昔からありましたけど、近年それが増加してるように感じます」
司会者がコメンテーターたちに話を振り、それに答える形式で番組が進む。
その内容は、ニュース番組の情報に蛇足のような考察をつけているようだ。
「切り裂かれた服の一部がなくなっているという情報もありますが……」
「被害者を思い出すアイテムのようなものとして、犯人が持ち去った可能性もありますね」
多くの視聴者には理解できない内容かもしれないが、発言したのは犯罪者の心理学に通じている大学准教授。
彼の考察に「なるほど」と、会場が揺れる。
「ふぅん……」
自分の考えと同じような発言にリナの瞳が揺れた。
「過去の事件でも、被害者の持ち物などを持ち去っているケースもありますしね」
類似している過去の事件の話になったところで、リナはテレビを消す。
「昔の事件と比べることに意味なんかないのに」
ぽつりと呟くリナ。
被害者の遺品を集めるタイプの犯人――リナは戦利品と表現した。
殺した記念に持ち帰っているのか、集めるために殺しているのか――それによって犯人像が変わってくる。
「宝集め……じゃ、ない。だとしたら……」
ボソボソと口の中で呟くように考察をまとめていく。
だが、考えは途中で行き詰まってしまう。
「被害者たちの共通点を探そう」
最初のコメントを投稿しよう!