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精三は更に続けた
「大体よお、てめえらは天猪の何がそんなに気に入らねえってんだ!?
確かに天猪は不良で番長さ!
この3年間で、東京中の高校の不良ヤンキー共が、うちに殴り込みに来たが
天猪が全部対処してたし、危害も加えさせなかっただろうが!?
それに天猪は学校の治安の維持にだって貢献してたし、男子トイレや多目的トイレも
天猪とその後輩達が綺麗にしてくれたんだぞ!
第一、俺達騎馬戦部が強くなれたのだって
天猪が稽古手伝ってくれたからだ!
それに比べてお前らは陰口叩くばかりで
俺は同級生として情けねえぜ全く!」
この精三の発言に続けとばかりに
「そうよ!今のバトミントン部が在るのだって、天猪君が尽力してくれたからでもあるし!」
と、翼が
「わ、私も、個人で全国行く事になった時、天猪君が真っ先に励ましてくれたから…か、肩の力が抜けたし……」
と、桜が弱々しくも声を上げた
「私、1年の時新体操部でリボン演技が上手く出来なくて悩んでた時、天猪君が練習に付き合ってくれた、だから今は自信を持って演技出来るし、日本富士姫大学にスカウトがかかったのもそのお陰だと思ってる!」
そう言ったのは、今までの中で同じクラスにはならなかったが
前述の通り大好が新体操の特訓に付き合った丹羽山癒弓(たんばやま・ゆゆみ)だ
そして更に
「うちがアイドルのオーディションを受けようとした時背中を押してくれたのも天猪くんと南雲くん!!」
「去年の文化祭に演劇部で時代劇やる時、決まらなくて困ってた悪代官の役をやってくれたのも天猪君だ!」
「それを言うなら私達ダンス部だって、天猪君のヒントが無きゃ廃れる所だった」
「今の俺が在るのも天猪のお蔭だ!!」
「それを悪くいうなんて、あんた達3人は成長しないわね!」
「高校出たら小学校からやり直せよ!」
「いいや、幼稚園からだね!」
クラスの大半が反天猪大好派に野次を飛ばした
「止めなさいよ皆!卒業式だって言うのに…」
「そうだぞ、皆落ち着け」
クラス委員の上総由衣(かずさ・ゆい)と
滋賀澤真一(しがさわ・しんいち)が止めに入った
すると
「な、何よ!?皆で寄って集って…」
「私達だって、好きで不良嫌いやってるんじゃないわよ!?」
友美と弥生が反論するが、二人共涙目だった
そしてあげはに関しては
「私は、私だって……私だってっ……」
涙声で肩を震わせながらうつむき
何かを言おうとしているが
何も言えない様だった
すると、あげはは両手で顔を覆い教室を飛び出して行った
弥生や友美も追いかける様に教室から逃げ出した
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