番長・お菓子ハウス

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大好は、さっき話に聞いたとおり 3年1組の教室に向かうと 「おー、番長!」 「おはよう天猪!」 「いよいよ卒業だなー、番長とも会えなくなると思うと寂しくなるぜ」 クラスメイトである男子達が話しかけて来た 「おう、おはよう皆、なーに卒業して大学やら専門やら就職すりゃあ、意外と忘れちゃうかもしれねえぜ!」 大好がニーっと笑った すると弥七郎が大好に近付いてきた 「ヒロちゃん、大丈夫?さっきは思い詰めてたみたいだけど」 やはり大親友は、気付いていた 「あー、大丈夫だぜ、卒業すると思うと、なんか胸が一杯になっちまってなー、心配かけてすまない」 大好がそう言って苦笑いすると 「心配というより、あなたがかけてたのは迷惑でしょ?」 と、嫌味なセリフが飛んできた こんな事を言いそうなのはあの女子達だ そう大好は頭に浮かべると 答え合わせをする様に声のした方に視線を向けた 予想通り、大好に嫌な視線を向ける3人組の女子が居た 堂島あげは(どうじま・あげは) 井垣弥生(いがき・やよい) 葛原友美(くずはら・ともみ)だ 入学当初から、あげはをリーダー格に 大好のやる事なす事 やたらと嫌味や文句をつけていたグループ 反天猪大好派だ しかし大好は 「まあ、それは言えてるかもな」 と、何処吹く風で笑って流してしまった 不良が嫌われるのは当たり前な事、いくら自分を悪く言われようと大好は平気だった 「ふー、やっぱり天猪大好は馬鹿みたいね 嫌味を言われても笑ってるんだもん」 「あげは、もうほっときなよあんな喧嘩馬鹿」 弥生や友美が言うと 何やらあげはは悔しそうにしていた 大好に嫌味が効かない事が余程悔しいのだろうか? しかしその時だ 「あなた達やめなさいよ!卒業式だって言うのに、不愉快だわ!」 そう言って声を荒げたのは、バドミントン部 のキャプテンをしているであろう女子 利根翼(とね・つばさ)だ バドミントン部は大好達が1年生の時 翼が立ち上げ、それ以来ずっとキャプテンなので、この3学年時に何も起きていないならキャプテンなのだ、そして 「そ、そうよっ、卒業式の日くらいは静かにしなさいよ…」 少し気弱そうに反天猪大好派に反論したのは テニス部に所属しているであろう、田所桜(たどころ・さくら)だ そして更に 「大体よお!お前ら前から気に入らなかったんだよ! 天猪がダチの事言うのは怒るけど、自分の事じゃ怒らねえの知っててズバズバ嫌味言いやがって!! それに対して周りが物言うと、天猪が 大丈夫だ気にしてねえって止め入るからって 調子こいてんだろ!? 今日という今日はもう勘弁ならねぞ!」 そう怒りを露わにしているのは 1年2年と大好・弥七郎と同じクラスだった蟹江精三(かにえ・せいぞう)だ
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