桜の札が嫌いだ__恋の百人一首__

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「あさじゅうの 小野の篠原 しのぶれど……」 「はい!」 ようやく、俺は札を取ることができた。 下の句は、『あまりて などか 人の恋しき』 好きだという気持ちを抑えきれない、そういう意味の歌だ。 またしても、百人一首に俺の心を見透かされてしまった気がする…… * * * 今日の練習試合は終わった。 俺は、ぎりぎりのところでクラス1位を取ることができた。 ちなみに、2位は咲良さんである。 俺は意を決して、咲良さんに話しかけることにした。
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