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10
他人のやり方なんて知らない。男のものを触るのだってはじめてだ。わからないから、自分が気持ちいいと思うやり方で、伊織の雄を触ってみる。
「あっ、伊織っ、それ好きっ……」
「っ……、そうかよ」
「ん、いい……、もっとっ……」
なんとなく伊織もわかっているのだろう。雄大が触り方を変えたら、伊織も触り方を変えてくる。伊織の手に腰を押し付けるようにして、もっとと強請った。
だんだんと触る手のスピードが上がっていく。くっついている部分が熱いし、呼吸も乱れてきた。
女にされるのとはまた違った感じだ。友達とはしないことをしているからだろうか。特別なことをしているみたいで、妙に興奮する。
「伊織っ……、オレ、もうヤバイっ……」
左手で伊織の背中をポンと叩いて、達してしまいそうだと訴える。
「俺も、出そう……、はっ、っ……」
一人だけ達するわけにはいかない。伊織が屹立を扱く手のスピードと同じように、伊織の雄をきゅっと手で包んで刺激する。
(あ、マジで来るっ……)
屹立の根元が詰まったような感覚。尻の肉に力が入る。伊織の雄を握る手も心なしか強くなる。
「伊織っ、も、ほんとヤバイ、あぁっ、イくっ……、出る……、あっ、あぁっ――、ぁ……」
腰を揺すって伊織の手の中に熱を吐き出す。解放と共にやってくる気だるい感覚。伊織の雄を握っていた手からも力が抜ける。
伊織がまだ達していない。慌てて雄を握り、手を動かした。
伊織がグイと近づいてくる。吐き出したものでぐちゃぐちゃになった屹立に、雄を握った手ごと擦り付けられる。
「ちょっ、伊織っ……、あっ、やめっ……」
達したばかりだ。
先端がこすれてくすぐったい。腰を引こうとした瞬間、伊織が身震いをした。
「っ、雄大っ……、きだ……、はっ、出るっ、ぅ、ぁ――、っ……」
伊織の雄がどくりと脈打ち、爆ぜた。放たれた生暖かいものを手で受け止める。
(? 今、なんか……)
はぁ、息をついた伊織は、ティッシュの箱に手を伸ばしている。シュッシュッと数枚ティッシュを抜き取って手を拭いた伊織に、ティッシュの箱を手渡された。
箱からティッシュを抜いて、べたついた手と屹立を拭く。隣で伊織も雄を拭いていた。
「……もう、いいか。俺シャワー浴びて……」
「待って」
立ち上がってベッドから下りようとする伊織の腕を掴む。振り返った伊織に「何?」と聞かれた。
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