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少々引っかかりを覚える感触。まさか、と思っていたら、伊織の下着が膨らんでいた。
「い、おり……、なんで勃ってんの?」
単純な疑問だった。
触り合いたいと言い出したのは雄大だ。伊織はあまり気乗りしていない様子だった。それなのに、伊織の雄は触りもしていないのに勃ち上がっていた。通常時よりほんの少し硬くなった雄大の屹立よりもしっかりと。
雄大が遊び半分で「付き合って」と言ったときにも面倒くさそうにしていたし、キスだって強請ってしてもらったはずだ。触り合うことだって、雄大がやってみたいと伊織に頼んだこと。伊織は毎回、仕方ないといった雰囲気だった。それなのに、伊織の雄が勃っていたことに驚いた。
「伊織?」
「その……、あれだ。まあ、なんつうか……、雰囲気が……」
(ああ。そっか。そうだよな)
気まずそうに尻を後ろに引いた伊織が言う。ベッドでキスをして雄大に覆いかぶさっていたから、誤作動でも起こしたのだろう。寝転がっていた雄大と違って、伊織は女を抱くときと同じ体勢だったのだ。
(でも、そっちのが都合がいい)
「なあ、雄大。やっぱりやめ……」
「やめるわけないじゃん。なんかテンション上がってきたし」
「っ……、待てって。雄大っ……」
どうせなら、二人で気持ちよくなったほうがいい。伊織の下着に手を伸ばし、ゴムを引っ張って下ろしてみる。
「でっか……。伊織ってこんななんだ。すげー」
中から現れた雄をまじまじと見つめる。下着から解放された伊織の雄は、へそ付近まで大きくなっていた。
「見すぎ……。つか、お前も脱げって」
「あ、うん。でも、オレまだ……」
そんなに勃っていないのだけれど、と言いつつパンツごと下着を下ろす。伊織も半分ほど下りた下着をパンツと一緒に脱いでいる。二人して下半身裸の状態になった。
「なんか変な格好」
「うるさい。お前がしたいって言いだしたんだろ?」
「そうだけど、ふはっ……、だっさ……」
「するんだろ。ちょっと黙って」
のそりと身体を動かした伊織に口づけられる。舌が絡みだしてすぐ、屹立をやんわりと手で包まれた。
「ん……」
ゆるゆると伊織の手が屹立を撫でてくる。自分で触るのとも、女に触られるのとも違った感触がした。
男の手、だからだろう。骨ばっていて大きい手に竿の側面を擦られる。尻の肉がきゅっとなった。
(あ、勃ちそう……)
気持ちいいと脳が理解した途端、急速に血が屹立に向かって流れ始めた。弾力のある状態だった屹立が張りつめていく。
「ぁ……、オレもするっ……」
口づけの合間に言って、右手を伸ばし、伊織の雄に触れる。熱くて硬い雄を握って、そろそろと扱いてみた。自慰をするときみたいに擦ってみる。頭上から、伊織の吐息が聞こえた。
「は、っ……」
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