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ペットロス
「ルカ‼︎」
「ルカー‼︎どこにいるの…?」
暗い空間の中で泣いている男の子。
ルカ…
何だろう?聞き覚えのある名前。
あまりにも悲しい泣き声に思わず声をかけた。
「どうしたの?」
男の子は私の方を向いて
「ルカ、見なかった?白い犬。こんくらいの…」
そう言ってルカの大きさを両手の幅で説明した。
そう言われても、ここは辺り一面真っ暗な空間で、ルカどころか私と男の子以外何も存在しない。
「いつ逸れちゃったの?」
私がそう聞くと、男の子は声をあげて泣き出した。
「死んじゃった…」
そう聞いて、何となく理解した。
ここは、彼の心の中…。夢の中なんじゃないかな?って。
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