26 エピローグ

4/4
254人が本棚に入れています
本棚に追加
/230ページ
「そんなことを気にしていたのか。  俺はそのままのユナがいいんだ。  貴族になんか染まらなくていい。  どうかいまのまま、きみはのびのびと過ごしていて。  毎日いっしょに庭を散歩しよう。  敷物を引いて、お茶をしながら他愛ない話をして、眠くなったら昼寝をしよう。  そういう時間が、俺にとって宝物なんだ」  それは、わたしにとっても宝物だ。  なにものにも代えがたい、奇跡みたいな贈り物だ。  ロビンさんの優しい指が涙を拭う。  そのまま顔を上向けられて、くちびるがやわらかく重なった。 「ずっとこうしてキスをしよう。  百万回でも、千万回でも、終わることなく、永遠に」  くちびるから愛しさが溶けていく。  わたしは両腕を伸ばして、ロビンさんを抱きしめた。 おしまい
/230ページ

最初のコメントを投稿しよう!