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「うん。
結婚してくださいで解除できるのは強烈フェロモンだけだし。
だから、猫鳴きとふつうのフェロモンははいままでどおり残ってるよ」
「うそ、『結婚してください』で治ったって言ってたじゃないですか!」
「一時的にな。
二時間も経てば、また猫鳴きに逆戻りさ」
「治してください、いますぐに!」
食ってかかると、ナツさんはヘラっと笑った。
「いやー、悪い悪い。
魔法をいろいろ重ねがけしちゃったから、どの治癒魔法を使ったら完全に治るかガチでわかんなくてさ。
でも、これからはずっとロビンといっしょにいるんだろ?
キスすれば治るんだから、問題ないよな。
よかったよかった!」
「そんなことだろうと思ったよ。
だから兄さんのところに聞きにいかなかったというのも理由にあるんだ」
ロビンさんは呆れたようにため息をついている。
一方でわたしは必死である。
「イヤイヤイヤ!
それたいへんなんですよ?
めちゃくちゃ不便だし、朝も昼も晩もロビンさんから離れられないし!」
必死で抗議するすぐとなりで、ロビンさんが「最高だな……」とつぶやいていたのをわたしは忘れない。
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