263人が本棚に入れています
本棚に追加
「一時的に治す方法を百万回実行すれば、どんな魔法も解くことができる。
つまり、仔猫ちゃんは百万回、ロビンとキスすればいいんだよ」
「……。あ?」
ひゃく……まん……かい?
「それが最も確実かつ簡単な方法だよ。
あっというまに治してみせるから、安心して」
「いま、あっというまって言いました?」
「いやーよかったよかった。
これで本当に一件落着だな。
俺、いい仕事したぜ!
それじゃあもう帰るから、ふたりきりで思う存分イチャイチャしてよろしくどうぞ」
「え、ちょ、待っ……」
無慈悲にも、ナツさんは瞬間移動でかき消えてしまった。
ソファから中腰に立ち上がったまま茫然としていると、クイっと引き寄せられて、お尻が座面に戻る。
「百万回……百万……」
「すまない、ユナ。
ナツの暴走のせいで、不自由な思いをさせてしまって」
「いえ、それはもういいんです。
こうしてロビンさんと再会できたんだし……すべてがナツさんの計算どおりというか、壮大な兄弟愛の、避けられぬ終局というか……」
最初のコメントを投稿しよう!