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その宝石は、なめらかに、たおやかに、日の光を受けとめていた。
ていねいにカッティングされ、丹念に磨き上げられたような石の色は、透明感のある緑だった。
「ユナの瞳の色だよ」
そう告げながら、ロビンさんはわたしの薬指に指輪をゆっくりと差し込んだ。
「すごく、綺麗……」
「この石よりも、きみのほうがずっと綺麗だ」
指輪にそっと口づけて、ロビンさんはわたしを見つめた。
「俺と結婚してほしい」
静かに告げられて、
わたしは言葉を忘れてしまった。
目の奥が熱くなって、このままでは泣いてしまうと思った。
そう思ったのに、ロビンさんは、すみれ色の澄んだ瞳で言葉を続けた。
「愛してるよ、ユナ。
ずっとユナだけを愛してる。
一生きみを護るから、俺のそばにいてほしい」
ああ、だめだ。
もう、泣く――。
あふれる想いを押しとどめることができずに、わたしはボロボロと涙をこぼした。
ロビンさんのたくましい両腕に抱きよせられた。
世界でいちばん安心できる場所にくるまれたら、よりいっそう涙があふれた。
「わたし、も、ロビンさんが、大好きです……っ」
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