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「うん。
伝えてくれてありがとう。
震えるほどに、嬉しかったよ」
「大好き……大好きなんです。
でも、わたし、ダメなんです。
は、伯爵夫人になんて、なれない……っ」
ロビンさんにみっともなく縋りつきながら、しゃくり上げた。
「でも、奥さんになれなくても、愛人、には、なりたくないんです~……!」
「ばかだな、ユナ。
なによりもかわいいきみを、愛人にするわけないじゃないか」
なだめるように背中を撫でながら、ロビンさんが言う。
「再会したときからずっと、伝え続けてきただろう?
俺が愛しているのはユナだけだよ。
ユナ以上に大切なものなんてひとつもない。
結婚したら、俺の奥さんはユナだけだ。
ずっと、一生、ユナだけだ」
どうしよう。
ロビンさんの声が、言葉が、胸のなかに入り込みすぎて、いっぱいいっぱいになって苦しいよ。
苦しいけど、嬉しくて、幸せで、どうしていいかわからない。
「わたしで、いいんですか。
テーブルマナーも知らないし、ダンスもできないし、貧乏な庶民で、貴族のことなんて、なにひとつわからなくて――」
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