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俺が本気で青い猫型ロボットを呼ぼうかどうか考えていると、教室の扉がガラ、と開いた。
「はい、みなさん。席についてください。」
そう言いながら教室に入ってきたのは、黒縁のメガネをかけ、真っ白な白衣を羽織った、ザ・真面目ってかんじの先生だった。
その先生の指示に従い、生徒は皆自分の席に戻っていく。
まもなくして、先生が黒板にチョークで文字を書いている、カツカツ、という音だけが教室内に響いてきた。
文字を書き終えた先生が、くるりとこちらを振り返った。
「今日から一年間、みなさんの担任を務めます。菅原樹咲といいます。どうぞよろしくお願いします。」
「菅原樹咲」と書かれている黒板の前で先生がそう言いながらはにかむと、女子の黄色い声があがった。くそう、イケメンで高身長って、
前世でどんないいことをしたんだ!?
俺が一人心の中でなげんでいる間、先生が自己紹介をしようと言い出した。
「じゃあ最初に天川君、よろしくお願いします。」
「はーい」
うわ・・・一番最初があいつかよ・・・と思ったが、
苗字が「天川」なので、それも仕方ないと思ってため息をついた。
天川は先生に向かってゆるーい返事をすると、ゆっくりと自分の席から立った。
「天川瑠珂でーす。これから一年間、仲良くしてくださいねー。」
キラキラと効果音がつきそうな顔で自己紹介をすると、天川は大人しく席に座った。
すると後ろの方から、
「天川君、やっぱかわいいよね〜」
「ほんとそれ。後で連絡先交換できるか聞いてみよ〜」
と聞こえた。あいかわらず愛想だけはいいみたいだ。
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