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「では次に、五十嵐君。」
「はぁ〜い」
先生の呼びかけに答え、天川よりもゆるく、甘ったるい返事をした五十嵐が、若干にやつきながら席を立った。
「五十嵐蒼っていいま〜す。大体こういうノリなんで、気軽に話しかけてね〜」
気軽に話しかけられるかクズが。
口に出して言いそうになったが、言ってなにか変わるわけではないので、我慢してグッと言葉を飲み込んだ。
その後、四人くらい自己紹介を終えた後、ついにあいつの番になった。
先生に名前を呼ばれ、即座に立ち上がる。
「如月奏汰です。これから一年間、よろしくお願いします。」
爽やかな笑顔でそう言った如月に、女子が少しざわめいた。いやあいつめっちゃ腹黒だからな!?過去に涼しい顔でいじめやってたからな!?
言葉にならない恨めしい気持ちを心の中で復唱していると、どうやら順番が進んでいたらしく、菅原先生が次の人の名前を呼んだ。
「では、神道君。」
「はい・・・」
静かに答えた神道がガタッと音を鳴らして席を立つ。
「神道樹です・・・よろしく・・・」
俯きがちに自己紹介した神道は、すぐさま席に座った。
なんかこう・・・みんなと仲良くしようっていうのが伝わってこないんだよな・・・俺をハブってた時だけはクラスメイトと仲良くしてたみたいだけどな・・・
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