7人が本棚に入れています
本棚に追加
/6ページ
俺
「ねぇ 制服洗っといて」
今日は休み。
久々にめぐと一緒の休みだ。
ちょうど洗濯機に向かうめぐにダイニングテーブルに座ったまま声をかける。
「はーい」
めぐの間延びした返事が聞こえる。
コーヒーでも入れといてやろう。
マグカップにコーヒーを入れてテーブルに置く。
なのにめぐはいくら待ってもリビングに戻ってこない。
不思議に思って洗面所へ…。
「めぐ?大丈夫?」
そう声をかけると、ハッとしたようにこっちを向く。
「え!あ、うん平気」
そう言って、慌てて俺のユニフォームを洗濯機に入れてスイッチを押す。
もしかして…。
「めぐもしかしてさぁ」
そんな俺の声かけにめぐは視線を泳がせる。
「…、あぁなんかコーヒーのいい薫り」
そんなことを言ってごまかそうとする。
ダンっ!
壁ドンしてめぐを閉じ込める。
「ねぇもしかして制服眺めてた?」
わかりやすく動揺している。
はぁ…。
めぐは制服フェチだ。
わかってる。
めぐがユニフォームを眺めながら想像しているのは制服を着ている俺。
でも、イライラする。
俺が好きなの?
それとも制服が好きなの?
「ご、ごめんなさいつい…。」
俺の言いたいことがわかっているのか、そう言ってくる。
「はぁ…。俺ってさぁ制服着てなかったら価値ない?」
「いや、そうじゃ…」
上目遣いに俺を見るその瞳は揺らいでいる。
「でも、また制服見てたじゃん」
何も言えないでうつむいてしまうめぐ。
なんだよ。
マジでただの制服好きじゃん。
どうしていいかわからないと言ったふうなめぐを見ていると、
どうしてもいたずら心がわいてしまう。
外身か中身かはっきりわからせたい。
そう思った俺は迷わずにその場でシャツを脱ぐ。
「!ふーと君!」
焦ったようにあたふたしだす。
そのままズボンも脱いで裸になる。
明らかに目のやり場に困っているめぐ。
もう何度も抱き合ってるのにいまだにこんなに赤くなるなんてかわいい。
でも今はそんなことじゃない。
「裸俺には興味ない?」
「そんな!興味あるよ」
必死に訴えるめぐにさらにぞくぞくする。
「裸の男に興味あるってこと?どこ見てんだよ?エロイなめぐは?俺が好きっていうよりエッチなこと考えてんじゃね?」
自分でも思う『何やってんだよ』って—。
「そんな…。違う…」
めぐはあわてて俺の下半身から視線を逸らす。
「へぇ。制服着てなかったらそんな反応なんだ」
いや多分普通の反応だよね。わかってる。
でもめぐは鈍感だから俺に言われたら真面目に悩むだろう。
「ふうと君だから…そんな姿見たらドキドキしちゃうのはふうと君だからだよ
」
そう言いながら抱き着いてくる。
ちょっと冷たい手が背中に当たってぴくッとなってしまう。
チュ。
突然胸のあたりにぬれた感覚。
それは何度か繰り返される。
おいおい。もしかしてキスマつけてる?
そんな思いもしないめぐの行動に、俺のは反応してしまう。
「…あ…」
めぐにも気づかれてしまう。
「わ、悪い」
何となく謝る。
するとめぐは首を横に振る。
「うれしい…」
「え?」
「私のキスでふうと君感じてくれて…」
めぐは真っ赤になりながらもにっこり笑う。
思わずぎゅっと抱きしめる。
「わ、私も…制服でもそうじゃなくても…、は、裸でもふうと君が好き。
中身が大事なの…わかって」
そう呟く。
しばらくそうしていると、めぐがもじもじとして言いづらそうに小さい声で言う。
「あ、あの、私もなんか変な気分っていうか…」
「ん?」
「あの…ベッドにいかない?」
もうこれ以上ないくらいに耳まで真っ赤にして俺の胸にほほをくっつけている。
「それってエッチのお誘いってことでいい?」
俺が頭をなでながら聞くと、こくんとうなづく。
「じゃ、遠慮なく」
そう言ってめぐを抱きかかえてベッドに運ぶ。
制服姿の俺を見るめぐのキラキラした目が脳裏に浮かぶ。
あーあしばらくは俺、自分自身にも嫉妬しそうだ。
その前にたっぷり味わっておこう。
最初のコメントを投稿しよう!