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「やっほ~、みんな1週間ぶりだねぇ」
笑顔を貼り付け直し、クラスメイトにむかって挨拶をする。
「「キャァァァーーッ!!」」
「会計様が午後から同じ教室内にいるなんて…。このクラスで良かった~!!」
「水無月様が!!僕に!!微笑んでくださった!!」
「違うよ!!ボクにだって!!」
「そんなことより会計が今日も尊い…。チャラ会計と言ったらやっぱり攻めだよね!!チャラ会計×わんこ書記がいいな…ハッ、チャラ会計×爽やかもいいのでは…!」
「腐腐腐ふふ、お前はまだまだだな…。チャラ会計総受けを読んでみるといい…実に素晴らしいぞ。あれぞまさにユートピアだ」
「え、そんなジャンルがあったなんて?!ちょっと今から腐海に沈んでくる。…というか君は同志!?」
「お前ら二人はいい加減黙れ」
最後の奴ら…あれは確かフダンシっていう種族だったはず。相変わらず何言ってるのかよく分からないけど、嫌な予感と悪寒がするのは何故なんだろう。
「やぁ、水無月君。こんにちは」
俺に挨拶仕返しできたのは、佐久間颯。名前からして爽やかな、人のいいイケメンだ。
「颯クンじゃ~ん、やっほ~」
「授業はそこまで進んでないよ。でも強いて言うなら、生物が新章に入ったかな」
「そうなんだぁ~。教えてくれてありがとねぇ~」
「いいや、オレは当然のことをしただけだよ」
そう言って、にこりと困った様に笑う。
この笑みに当てられて、数人のチワワたちが顔を少し赤くしていた。
それにしても、授業の進み具合を教えて貰えるのは結構ありがたい。
これでも生徒会役員だからな。
成績上位を保たないと、次の総会のときに生徒会を辞めさせられてしまう。
それに、生徒会はとても大変だ。ある程度以上の能力や時間管理能力がないと到底こなすことなど出来ない。
だから、成績が低いと最低限の自己管理すら出来ていなく、相応しくないとみなされるのだ。
因みに俺は毎回4~6位辺りを取っている。
同学年の双子は、二人揃って大体俺の1~2ぐらい下を取っているが、偶に抜かされる。
同じく同学年の慶は、毎回3位を保っている。
上位2位は特待生に独占されていて、あと数点というところでとられているらしい。
会長と副会長の先輩組はギリギリの1位争いが繰り広げられているようだ。主に、会長と風紀委員長との間で。
副会長は二人がいるせいで毎回3位になっているらしい。
この前、フフフ…と黒い笑みを浮かべて、無邪気に尋ねた双子にそう答えていた。普通に怖かった。
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