チャラ男会計様

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 放課後になり、俺は1人で生徒会室へ向かった。  結局、あの後も双子が戻って来る事は無かった。慶も今日は1日教室に顔を出さなかったようだ。  扉の前に立ち、深呼吸する。  今の俺はチャラ男だ。  へらへらとした笑みを貼り付け直し、思い切って扉を開けた。 「みんなぁやっほ~…ってなんだ、まだ誰も来てないのか」  まさか誰もいないとは思っていなかったので、少し拍子抜けだ。思わず素の口調で呟いてしまった。  周りに人がいなかったから良かったものの、学園内で気を抜くのはマズイ。誰かにバレたりしたものなら(口止め(脅迫)が)面倒だ。  しかし、まだ誰も来てないとは珍しいな。  少し来るのが早かっただろうか?  まぁいい。折角1人なんだし、期限が近い書類等を早く捌いてしまうか。  自分の席に着いて、カバンから昨日持ち帰ったUSBを取り出す。ノートパソコンにそれを差し込めば、徹夜して終わらせたデータが出てきた。多少修正してから顧問と理事長のそれぞれに送ると、昨日の分は終了。  後は書類を捌くだけだ。  黙々と作業をこなしていると、ふと、机に影が出来た。 「……ま、こと…きょ、はや…?」  影の正体は慶だった。  スマホを見ると、あれから30分経っていた。 「でしょ~。それにしてもぉ、今日はぁみんな遅いよねぇ~」 「ん…かいちょ、たち…おそ…」 「どうしたんだろうねぇ~?会長達昼はいたよねぇ~」  本当どうしたんだ?  普段なら、とっくに副会長は来ている時間なんだが…。 「…まぁ、考えても仕方ないかぁ~。慶、何か飲むぅ~?」 「ん、…のむ…」 「お~け~」  席を立ち、生徒会室内にある休憩室に行く。  この休憩室には、ちょっとしたキッチンと冷蔵庫、棚、仮眠用のベッドソファーなどがある。  そのキッチンで自分用のブラックコーヒーと、慶のココアを準備する。ついでに、この前持ってきたクッキー缶から何枚かクッキーを皿に移し、それをコップと一緒にお盆にのせた。  さて行くか、と思ったのだが、向こう側から会長達の声が聞こえたので、会長達の分の飲み物とクッキーも用意する。  会長にはエスプレッソを、楓にはカフェオレ、奏にはレモンティー、副会長にはアールグレイを。  皆、見事に好みがバラバラだ。あの双子も飲み物だけは違う。  休憩室から出ると、会長と副会長が何やら話し合っていた。 「やっほ~」 「「あ、マコちゃんだー!」」 「はいどうぞ~」  そう言って、休憩時や客が来た時に使うテーブルにそれらを置いた。 「…あ、…がと…」 「あぁ、ありがとうございます」 「「わーい!ありがとうー!」」 「……」 「会長?お礼ぐらい言ったらどうですか??(圧)」 「…サンキュ」 「どういたしまして~」
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