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「そういえばぁ~、会長達なんで遅かったのぉ~?」
「…な、で…?」
「かいちょーが遅いのはいつものことだけどー」
「れいれいが僕らと同じぐらいに生徒会室に来るなんて」
「「すっごくめずらしいよねー!」」
「そうだよねぇ~」
「ん…めず、らし…」
2人が遅かった理由を聞く。
勿論、さり気なく会長をディスることを忘れない。
そういえば、例の赤い星のヘアピンをしてないな。シスコンな会長のことだから、大切に大切にハンカチにでも包んでカバンに入れているのだろう。
…………ん?というか、誰も赤い星のヘアピンについてツッコんでなかったな。少なくとも食堂を出る時までは付けてたのに。もしかして、会長がシスコンなのバレてるのでは??
「お前らな…。俺をなんd─」
「あぁ、2週間後にある入学式について、理事長と話をしていたのですよ」
「おい、俺の言葉を遮ぎ─」
「え、2週間後だったけぇ?!」
びっくりだ。あと2週間で新学年が始まるだなんて。
最近生徒会の仕事が忙しくて、行事カレンダー確認してなかったから忘れてた。
…因みに、この学園の春季休暇は5日ぐらいだけだ。その代わり、夏季休暇は約2ヶ月もあるけど。多分、夏は色々あって忙しくなるからだろうな。
「少しは俺のこt─」
「マコちゃん忘れてたのー?」
「僕ら先輩になるんだよー!」
「「しっかりしないと!!」」
先輩という言葉を言った時、えっへん、とどこか誇らしげにした双子。同学年だが、容姿的に幼い2人がそうしていると、とても微笑ましく、かわいらしいものに見える。
「………」
「かいちょ、…よし、よし…」
「ん~…?あれぇ?会長はぁ、なんで慶に撫でられてるのぉ?」
気がつけば、会長は生徒会室の隅でしゃがみ込み、1人ジメジメときのこ栽培をしていた。しかも何やらぶつぶつと呟いていて、正直怖い。というか、ドン引く。
副会長に至っては、汚物を見るような目でそんな会長を見下しているし、双子は素晴らしい娯楽を手に入れたとばかりに2人して目を輝かせている。笑いを堪えているのか、若干ぷるぷると震えているが。
そうして何故か、慶がそんな状態の会長の頭をよしよしと、まるで慰めるかのように撫でている。
よく分からないが、ここにカオスが爆誕していた。
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