Chapter1:アスペルガーの主人公

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そう独り言を(つぶや)いて応募を完了させた俺は、続いて大分県や島に関する地理的な情報を、ネットで色々と調べ上げる作業に移った。 もちろん大分についての知識はそれなりにあるが、改めて突き詰めてみるとまだ知らない観光名所があった。 まず大分県の人口だが、約110万人で都道府県人口ランキングでは34位となっている。県庁所在地の大分市は約47万人で、九州では5番目に人の数が多い市だ。北陸地方の有名な都市である金沢市と同じくらい、人が住んでいる。ただし2番目に多い12万人ほどの別府市を除けば、残りの市町村は5万人以上の市はあるものの、田舎と言わざるを得ない。唯一の村である姫島村に至っては、2000人を割っていた。 面積は約6340平方キロメートルで、順位は22位。真ん中よりやや上辺りか。群馬県や栃木県の広さに近い。 有名な観光地としては、何と言っても別府や由布院の温泉だろう。特に別府は、湯けむりや地獄めぐりなどもよく耳にする。画像を検索すると、さすが"おんせん県"とPRするだけあるなと感心する写真だった。 絶景では豊後高田市にある、『真玉海岸』の夕陽が格別できれいだった。干潟の縞模様と夕陽が織りなす光と色、影のコントラストが美しい。ただしそのような景色は、晴れていてかつ干潮と日の入りが重なる日しか見られないそうだ。 他にも特急列車が付近を走行する由布岳や、酢屋の坂など古い町並みが風情を感じる杵築(きつき)の城下町、更には全国に沢山ある八幡社の総本宮で、朱色の鳥居が特徴の宇佐神宮など、まだまだ魅力的な観光スポットが多々あった。 銘菓では『ざびえる』というお菓子が印象的。俺も何年か前に親戚にお土産として(もら)い食べたことがあるのだが、バターの風味とラムレーズンのコンビネーションが絶妙で、とても甘くて美味しい。 大分に関してはこのくらいにして、次は島についての豆知識を紹介する。 測量技術の進歩により、最近になって日本には14125もの島が存在することがわかったが、このうち人が住んでいる有人島はわずか421しかない。無人島が97%を占めている。
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