プロローグ:設置

2/2
前へ
/229ページ
次へ
更にこの"ゲーム"を主催した者として、ハンドルネームを名乗る必要があった。 私の人生を象徴するかのようなとっておきの名前をずっと前から思いついており、心の底から気に入っているネームだ。 その名は『ロンリーラビット』。 "孤独なウサギ"という意味である。 だが今の私は、そんな可愛らしい動物とは程遠く、人の心を持たない悪魔に他ならなかった。 ただ"孤独"という部分は妙にしっくりきて、人間は結局なところ独りぼっちで、わかり合える同志などいないというのが、私の最終的に行き着いた答えである。それでも、私が目指している"思想"を実現するためには、多くの民の力が必要なのは明らかだ。 私は海に背を向け、今度は空を見上げて心の中で叫んだ。私をに変えた、"根源"とも言える相手に向かって。 __聞こえてる? もうすぐ、始まるよ。 胸(おど)る"殺戮(さつりく)ゲーム"がね__
/229ページ

最初のコメントを投稿しよう!

24人が本棚に入れています
本棚に追加