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発達障害には他に注意欠陥多動性障害(ADHD)、学習障害(LD)、高機能自閉症があるが、ここでは特に詳細には触れない。
もちろん障害特性には個人差があるので、同じアスペルガーでも対人関係が得意な人もいるし、感覚過敏が全くない人間だっている。なので、あくまで俺個人のエピソードを話していこうと思う。
俺は幼少期から人と関わるのが大の苦手で、学校時代も友達はほとんどできず、むしろ1人でいる時間が楽で楽しかった。
俺は地理だけが突出して得意科目で、日本も世界もあらゆる地名を知っているし、人口などのデータやランキングを調べるのがとても好きだ。そこがアスペルガーの特性であるこだわりが強い部分であり、趣味に没頭することによって嫌なことを忘れられる。現に地図帳を眺めている時などは、親に話しかけられるのも苦痛で、"自分の世界観"を邪魔されたくないという心理が働く。わがままではあるが、健常者でも自分の領域に入ってほしくないという人は意外に多いと思っている。
"嫌なこと"__。
性格が大人しかったためか、小学校中学校とイジメの標的にされており、無視されたり面倒な係を押し付けられたりしてきた。その頃から断ったり反抗することが怖くてできなかった。だから今の会社でも、パシリにされても我慢して、ひたすら仕事をこなすしかなかった。こいつらを怒らせたら、また昔のようにイジメられるかもしれないから。特に同性には注意しなければ。過去に受けた傷が、傷つくことを恐れる俺に無意識にブレーキをかけさせていた。
俺だって、別に好きでこんな生き方を選んだわけではない。発達障害で生まれなければ、もっと堂々としていただろうし、人間関係も普通に築けたはずだ。アスペルガーの診断が下ったのは18歳の頃だが、自分自身学生時代から自覚はあったため、障害がわかった時はああやっぱりな、という感じでホッとした。
自分は人とは違う__。
それに気づいたのは小学校に入ってからだった。
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