短編ストーリー  #社会係にはなりたくない

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 「社会係やってくれる人はいないか?」学級委員長の田上君そう言った。 全員顔を見合わせるが誰も手を上げようとしない。いや手を上げないの当たり前なのかもしれない。なぜなら、うちの学年の社会科の担当の先生はとてつもなく怖い。問題が分からなかったら怒鳴り怒られて、提出物を忘れると殴られて、チャイム着席をしないだけでも、怒られ廊下に立たされる。そんな、令和の世界にはもういないと思っていた昭和の教師なのだ。  僕たちはそんな先生に怯えていた。 だから誰もが社会係になってまであの先生との接点を作りたくないのだ。  そして社会係になるのを拒むもう一つの理由がある。それは、単純に仕事が多い。提出物の回収や授業準備の手伝い。そして授業中に問題をよく振ってくるのだ。  そして今から俺たちによるサバイバルが幕を開けるのだった。 サバイバルそうそれはじゃんけんだ。じゃんけん皆が口を揃えて言うけど、それは違う。 じゃんけんは実力だ。心理戦である。 まずは担任の先生と一斉にじゃんけんして勝ったやつだけ抜けることができる。あいこやまけを抜けることもちろんできない。 周りのクラスメイトはとても緊張しているように見えるが僕は違う。 なんでかって。それは、、、担任の先生のじゃんけんの癖を調べてきたからだ。 『この勝負貰った。』僕は心の中でそう叫んだ。担任の先生は初手に「グー」 を出す可能性が80パーセントと非常に高い。だからこのじゃんけん「パー」 を出せば勝てる。  先生が最初はグーじゃんけんぽんと言った。僕はその合図に合わせて「パー」を出した。そして先生の手が「グー」だったら勝ちだ。  先生の手はの手をしていた。 「ま 負けただと」。僕はどん底まで叩き落されたような気分だった。 ただ一位通過したのは、幸いに7人だけだった。 「残り21人か。よしもう一回じゃんけんをしよう」。そう先生が言った。  僕は次こそ先生が「グー」を出すと思い、「パー」を出した。 「最初はグーじゃんけんぽいーー俺が出したのはだ」。 またまた先生は「チョキ」を出してきたのだ。最悪だ。二回もじゃんけんに負けるのは。僕はこのとき思った。。  結局僕は社会係になってしまうのだろうか。    「ーーーーーーーーなんてことがあってね。社会係にならなくて済んだんだよ。」と僕はSNSにつぶやいた。 と。  
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