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 不思議そうな顔をする三上を見つめたまま、僕はベンチから立ち上がった。  なんだ?  何かがおかしい。  耳元がじんじんする。  死体がない?  何を言ってるんだ、こいつは。  まさか、あれが本当に蝋人形だったとでも!?  いや、違う。  そうじゃない。  何かおかしい。  呆れ返った表情の三上を残して、僕はその場を逃げるように立ち去った。  今はとにかく一人になりたい。いや、二人に。 「レイさん! レイさん!」 「落ち着いて、海斗くん。私はここにいるわよ」  誰も来ない通路の一角にて、僕はその場に座り込んだ。  レイは僕の前に座ると、そっと僕の頭を撫でた。 「レイさん? どういうこと? あいつは何を言ってるんだ? ぼ、僕の推理は間違えてないよね?」  レイは悲しそうに微笑んだ。 「海斗くん。私が現実に存在しないっていうことは分かってるわよね?」  いきなり何を?  僕はレイの真意を図りかねたまま、おずおずと頷いた。 「レイさんは、他の誰にも見えてないし触れることもない。僕にしか見えていない存在だっていうことは分かってるよ」 「でも私だけじゃないの」  レイの目がキラリと光った。 「
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