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 木から鳥が飛び立つ時には枝先が揺れるのが当たり前だ。何せ鳥の足で蹴られているのだから。  だが先程からレイの視線の先では、山鳥が何度か飛び立っているにも関わらずその周りの巨大松の枝先が少しも揺れていないのだ。  僕はもう少し目を凝らした。  木が重なりあって森をなしている、そのさらに奥から鳥達は飛び立っているのだ。   「木がうまくカモフラージュになっているんだ。奥に何かある」 「屋敷よ。それも洋館タイプね」  レイが珍しく不敵な笑みを見せた。 「考えたわね。壁の木のような模様を描いて溶け込ませてるのよ」  僕はすぐに前を行く赤坂に呼びかけた。 「赤坂さん、建物です。右手の奥に」
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