16.

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「つながっている? どこで?」 「」  地下トンネルのアイデアは突然思いついたわけではない。ちゃんと根拠がある。  それはあの洋館の建てられ方だ。 「あの洋館、周りを大きな木や岩で囲まれていたでしょ」 「ええ。あれじゃ一体どうやって建築資材をあの敷地に運び込んだのか」  そこまで言ってレイがハッとした顔をする。 「まさか、それで地下トンネル?」 「うん。防空壕の要領で地下トンネルを掘ってそこから資材を組み上げていったんじゃないかと思うんだ」 「なるほど。それなら入り口の前にあんな池ができていたことにも説明がつくわね。地図を見る限り、洋館の標高は反対側の研究施設より若干低いから、研究施設の結露の水滴が長年流れてきて、漏れ出たんでしょうね。でもよく分かったわね? 地下トンネルとあの死蝋と赤坂さんの体調が悪くなったことには、何のつながりもないでしょうに」 「それがあるのさ」 「どういうこと?」 「地下のトンネルを通ったのは、建築資材や結露でできた水滴だけじゃないってことさ」 「……毒ガス? 違うわね。ウイルス……細菌……まさか細菌兵器!?」  レイの言葉に僕は大きく頷いた。  あの研究施設では様々な研究がなされていた。その一つが細菌兵器だ。  もし死体がミイラだったら細菌は存続できなかっただろうが、蝋化の途中、変性の途中だったら? あの洋館のように湿気でいっぱいの環境だったら?   細菌が残存している可能性はある。 「でもちょっと待って。海斗くん。そもそもなぜ軍はあんな地下トンネルを造ったのかしら? それに私達が行った時、あの洋館は空だったわよね? 死体以外」  こればっかりは当時の軍の人間に聞かなければ分からない。  ただ幾らか想像することはできる。 「多分研究の資料を米軍の標的からそらしたかったんじゃないかな? あんな山奥の目立たない羊館をわざわざ爆撃したりしないでしょ? ただ戦争が終わったあとで結局GHQに見つかって摂取されたんだと思う。あの死体はそのあとであそこに入り込んだものの、そのまま細菌兵器に感染したんじゃないかと思う」  レイは肩をすくめた。 「それでどうするの?」 「とりあえず警察にこのことを」  そう言って立ち上がった僕は、ずっとレイに聞こうと思っていたことを思い出した。 「あの死体……何でレイさんとをしていたの?」 
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