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大事を取って一晩入院になった私は、今日は無理せずに休めという医者や盛村さんたちを振り切って、何が起きたのか、今がどういう状況なのかを説明して欲しいと訴えた。
何もわからないのに、心から休めるはずがない。
「……瑠璃なら そう言うと思ってたよ」
京介は私の気持ちを理解してくれて、桔平さんはもちろん、盛村さんも渋々上司に了承を得て このまま病院にいてくれることになった。
「しかしまぁ、京介も無茶苦茶したなぁ」
私のベッドを皆が囲む中、盛村さんが呆れ気味に口を開く。
面会時間など とうに過ぎた夜の病院、しかもこれから、かなり重い話をしなければならない。
個室に入院できたのは本当にラッキーだ。
「改めてすみませんでした。僕も必死で止めたんですが、すごい速さで」
律儀に立ち上がり 盛村さんに頭を下げた桔平さんの、次の視線の先にいるのは、私の手を握って離さない京介だ。
当の本人は、素知らぬ顔をして ただ私を見つめている。
「警察の覆面パトを奪って現場に乗り込むとか……うちの上司が目を瞑ってくれなかったら、逮捕案件なんだぞ?わかってんの?」
「はぁ?」
溜め息混じりの盛村さんの言葉に驚いて、つい反応してしまった。
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