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指示された通り、撮影準備の手伝いをしていると、指示を飛ばしていた専務の姿がいつからか見えない。
年齢が近いからか、遠い存在であるはずの専務が夕にとっては身近に感じていたので、少し寂しく感じる。
その時……
「聖さん、スタジオ入りします」と声が、スタジオ内に響いた。
今日まで、聖なる人物のプロフィールは、広報部にすら一切知らされていなかった。
だが、ここにいる役職者のおじさま達は知っていたのか、反応が薄い。
夕だけが、ドキドキしているようだ。
そして、現れたのが……
長身で色白の透明感のある男性だった。一言でいうと王子様が一番しっくりくる。
が……
正直、夕は全く興味がわかない。どちらかというと、ダサ専と言われる専務の方が、親しみがある。
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