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警察にすべてを知られてしまった。私は自分が少女にしたことを、夢の中で仕返しされたのか。
「刑事さん、私が逮捕される前に一つお願いを聞いてくれるかしら?」
「入院中ですから、症状が回復するまでは留置所へ移動もできません。お話は聞きましょう」
梓は微笑んだ。
「この病院から逃げ出したいの」
警官はその発言を理解しかねると言うように顔を歪めた。しかし梓は警官がどんな表情をしたかなど見ていなかった。
「二人きりで逃げ出しましょう」
初めて会ったその警官との逃避行を、梓は夢見た。彼が私を守ってくれる。そう思うと、心の底に幸福感が湧いてくるのを梓は感じた。人に愛され、少女のように夢見る自分に酔いしれる。束の間の幸せ。
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