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「あれ、何でなん…。花粉症とか…」
桜の花粉症ってのもあるのだろうか…。
私はそんな疑問を感じながらユウジに微笑んだ。
もうユウジにも何度か説明した記憶はあるのだが、そんな些細な話の記憶はあまり残らないのだろう。
「トシオ…」
私を呼ぶ声に階段の陰から顔を出すと、母の弟であるタツアキ叔父さんがそこに立っていた。
「今日はありがとね…」
タツアキ叔父さんは礼服のポケットからタバコを出しながら私たちに近付いて来た。
「タツ兄、タバコ吸うんや…」
ユウジがタツアキ叔父さんに訊いた。
「ああ、止めとったとばってん、何となくね…」
私は咥えたタバコに火を点けて、タツアキ叔父さんとユウジの会話に微笑む。
ユウジは幼い頃に関西へ引っ越したので、もう九州弁が出る事は無い。
しかし、私は未だに九州弁と関西弁のハイブリッドだったりする。
勿論、関西に居る時は九州弁が表に出る事はそんなには無い筈なのだが。
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