龍宮寺にて

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「タツ兄…。電車で来たと…」 私はタツアキ叔父さんに訊いた。 「うん。飲むやろうって思っとったけんね…」 私とユウジはその言葉に頷く。 私は車なので、ノンアルビールを数本、ユウジは元々酒が弱い事もあるが、それでもビールを飲んでいたのを見た。 私は煙を吐くと桜色に染まりつつある車をじっと見た。 「おお、桜色になっとうね…」 タツアキ叔父さんもそれに気付いて笑っていた。 「洗車せないかんね…」 私はその言葉に頷く。 「明日するたい…」 タツアキ叔父さんは叔父さんなのだが、私とトシが十歳程しか違わず、幼い頃から「タツ兄」と呼んでいた。 そのせいで周囲もそう呼んでいる様だった。 「ユウジは今日、帰るとか」 タツアキ叔父さんはタバコを消すユウジに訊いた。 「うん。明日、朝一から会議やから、今日中に帰らんとアカンのよ…」 「そうね…。忙しかったいね…」 「課長が入院してもうたんよね…。それで余計に…」 私とタツアキ叔父さんは頷いた。
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