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「トシオは…」
私は煙を吐いて、
「俺はしばらくこっちに居ろうかと思っとるばってん…。オカンが帰りたいって言ったら帰ろうかと…」
タツアキ叔父さんはタバコを咥えたまま頷いていた。
また強い風が吹く。
日差しが雲に遮られ、その風が冷たい事に気付いた。
「今日は、天気は良かばってん、寒かね…」
私はそう言って首を窄めた。
「そうね…。本当に天気良くて良かったね…」
タツアキ叔父さんが空を見上げたので、私もユウジもそれにつられる様に一緒に晴れた空を見上げた。
「お父さんの葬式は真夏の暑い時で、お母さんの葬式は雪の中やったもんね…。四十九日はどうなるんやろうって思っとったとやけどね…。まさか、こげん良い天気とはね」
タツアキ叔父さんは優しい表情で微笑んでいた。
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