〝全く興味がない〟それだけだった

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レンドルター伯爵家はランドリゲス公爵家の事情に振り回されたとしても逆らう事はできない。 けれどこの国の王女と同じ公爵家となれば、そんな身勝手なことを出来るわけがないのだ。 「ソフィーア、あの時の事を怒っているのなら‥」 「勘違いしないで下さいませ、ソリッド様」 「‥‥」 「わたくし、ソリッド様に全く未練はございません。マリアンナ王女殿下との幸せを心から願っております」 「‥ソフィーア、私は」 「ソリッド様もわたくしのことは綺麗サッパリと忘れて、王女殿下を愛し抜いて下さいね‥‥一生を掛けて」 いつも笑顔のソリッドの顔が珍しく曇る。 完璧な仮面の裏側、どこか歪な愛を向けるソリッドと婚約破棄出来たことはソフィーアにとっては嬉しい限りである。 ソフィーアは第3王女のマリアンナに心から感謝していた。 そうでなければ今頃、屋敷の外には出してもらえず誰にも会うことは叶わなかっただろう。
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