〝全く興味がない〟それだけだった

40/58
前へ
/58ページ
次へ
「御紹介致します。左からヘール王国、第1王子であらせられるラバンジール殿下、アバン帝国の第二皇子、リマ殿下‥‥そして暗黒の魔術師、ルゼット様ですわ」 ヘール王国は小国ながらも他国を圧倒する武力を持っていることで有名だった。 ある希少な力を持った少数民族が発端となり出来上がった国で、王族ともなれば他国の騎士や魔術師が束になっても敵わないのだという。 その第一王子あるラバンジールは、国の中でも随一の槍と炎魔法の使い手で、1人で国を壊滅させるのも容易いと言われるほどに恐ろしい武人である。 ソフィーアを静かに見守るラバンジールの体は細く、とても戦って敵を薙ぎ倒すようには思えない。 人形のように無表情ではあるものの、女性と見間違うほどの美しい顔立ちは十分に目を引く。 そしてアバン帝国はベルタ王国の南に位置する大国である。 褐色の肌が特徴で、リマは第二皇子だがその下に24人もの兄弟がいる。 とにかく資源が豊富なアバン帝国は贅に溢れており、ベルタ王国でも理想の嫁ぎ先として話題に上がる夢の国である。
/58ページ

最初のコメントを投稿しよう!

422人が本棚に入れています
本棚に追加