422人が本棚に入れています
本棚に追加
スッとソフィーアの目が細まる。
ミケーレの頭の中には、自分がソフィーアに言った言葉の数々が浮かんでいた。
『お前も隠れて男の1人や2人手玉にとってみたらどうだ?』
『他の男を知らないから、俺のありがたみが分かないんだ』
ソフィーアの冷めた態度の理由が分かったところで後の祭りだ。
あれだけソフィーアを小馬鹿にして下に見ていたミケーレは、とんだ赤っ恥である。
極め付けは『それに俺はお前と違ってモテるからな』というミケーレの言葉。
いくら自国の伯爵令嬢や男爵令嬢に言い寄られたところで、ソフィーアとはレベルが違うことは見て分かる通りだろう。
ランドリゲス公爵家どころではなく、あのアバン帝国の第2皇子やヘール王国の王太子‥そして周囲の国々から恐れられている暗黒の魔術師までもが、ソフィーアに求婚しているではないか。
それもミケーレの前で。
(俺だってソフィーアの本当の姿と価値を知っていれば‥!)
そうすればミケーレだってソフィーアを大切にしていただろうに。
こんなことならなかったのかもしれない。
最初のコメントを投稿しよう!