〝全く興味がない〟それだけだった

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スッとソフィーアの目が細まる。 ミケーレの頭の中には、自分がソフィーアに言った言葉の数々が浮かんでいた。 『お前も隠れて男の1人や2人手玉にとってみたらどうだ?』 『他の男を知らないから、俺のありがたみが分かないんだ』 ソフィーアの冷めた態度の理由が分かったところで後の祭りだ。 あれだけソフィーアを小馬鹿にして下に見ていたミケーレは、とんだ赤っ恥である。 極め付けは『それに俺はお前と違ってモテるからな』というミケーレの言葉。 いくら自国の伯爵令嬢や男爵令嬢に言い寄られたところで、ソフィーアとはレベルが違うことは見て分かる通りだろう。 ランドリゲス公爵家どころではなく、あのアバン帝国の第2皇子やヘール王国の王太子‥そして周囲の国々から恐れられている暗黒の魔術師までもが、ソフィーアに求婚しているではないか。 それもミケーレの前で。 (俺だってソフィーアの本当の姿と価値を知っていれば‥!) そうすればミケーレだってソフィーアを大切にしていただろうに。 こんなことならなかったのかもしれない。
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