〝全く興味がない〟それだけだった

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"こんな事になったんだろう?"と、ミケーレがソフィーアを責め立てようとした時だった。 まるでスローモーションのように黒い影がミケーレの上から覆い被さろうとしている。 それを見たミケーレは息を飲んだ。 この闇に触れてしまえば"死ぬ"と本能的に理解したからかもしれない。 「ルゼット様」 ソフィーアが片手を上げてルゼットを制すと影はピタリと止まる。 ルゼットは不満そうに声を上げる。 「‥‥なんで?ソフィーア」 「ルゼット様の手を汚すほどではありませんわ」 「羽虫のくせにブンブンと目障りだから潰してやろうと思ったのに」 よく見るとラバンジールも腰にある剣の柄に手を掛けている。 ラバンジールの目は鋭くミケーレを射抜いている。 いつも笑顔のリマですらも真顔でミケーレを見ていた。 一即触発の空気の中、平然とソフィーアは言った。
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