〝全く興味がない〟それだけだった

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ソフィーアはベルタ王国に婚約者が居るからと求婚を断っていた。 けれどソフィーアは、その時密かに種を蒔いていた。 数年後にいつでも花を咲かすことが出来るように少しずつ、少しずつ世話をしながら‥。 困惑するミケーレを庇うようにランドリゲス公爵が口を開いた。 「そういうことなら、我々は何も言えまい」 「なっ‥父上!!?必ずソフィーアを取り戻せと」 「元々はお前の所為なのだぞッ!!ミケーレ」 「俺は何も悪くないッ!その女がーーんぐっ!」 ソリッドが直様ミケーレの口を塞ぐ。 周囲に満ちている殺気にも気付かないミケーレには殆呆れてしまう。 このままソフィーアを責め続ければ間違いなくミケーレの未来が消えてなくなってしまう。 「帰るぞ‥‥ソリッド、ミケーレ」 「‥‥はい」 「ッ!!」 「レンドルター伯爵、申し訳ないが書類は公爵家に送ってくれ」 「かしこまりました」 一段落ついた。 誰もがそう思った時だった。 「ーーやっぱり、婚約破棄はしない!」
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