〝全く興味がない〟それだけだった

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納得出来ないのか、ソフィーアが惜しくなったのかは知らないが、3人の視線に怯えながらもミケーレは声を張る。 「俺たちはもう一度やり直せる!!そうだろう!?ソフィーア」 「‥‥は?」 「いい加減にしろ、ミケーレ!」 「この度は愚息が大変失礼を致しましたっ!」 ランドリゲス公爵が深く頭を下げる。 あのプライドが高いランドリゲス公爵が、だ。 その様子に思うところがあったのか、ミケーレは目を見張って戸惑っている。 ランドリゲス公爵は引き際を弁えている。 これ以上は国同士の揉め事に発展しかねないと判断したのだろう。 しかも相手はベルタ王国よりもずっとずっと大国で力を持つ王族と、視界に入るだけで「邪魔だから」と理由もなく殺されると噂の暗黒の魔術師。 自分達に残された道はただ一つ。  素早く身を引くこと‥それだけである。 引くに引けなくなってしまったミケーレが、ソフィーアに迫っていくのをソリッドが必死に止める。 「これは違うっ!何かの間違いだッ」 「‥‥」 「今のお前なら愛せるような気がするんだ!」 「何を‥おっしゃっているのですか?」 「俺の婚約者に戻ると言えばいいッ!そうすれば全て元通りだ」 「はぁ‥」
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